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DATE2023.04.30

この記事を書いた人

ひらい めぐみ

vol1. 東京で働き、熱海で暮らす ボランティアスタッフ ごるりさん|マチモリ不動産をつくる人

 

マチモリ不動産には、実際に熱海に暮らしているひと、他の地域で暮らしながら熱海に関わっているひとがいます。この連載では、マチモリ不動産にかかわっている「ひと」にフォーカス。第一回は、熱海に住みながら、3年前からボランティアスタッフをしている伍藤留理子さん(通称ごるりさん)にインタビューをしました。

 

 

 

週5で東京へ新幹線通勤するのも、「あり」だと思えた

 

 

――普段は会社員として働かれていて、なんと週5で東京へ通勤されているんですよね。

 

ごるりさん:そうですね。毎日、熱海から東京まで新幹線で通勤しています。朝、他の人たちと同じように10時には席に着いているので、言わなければ、熱海から来ていることに気づかれないくらい(笑)。

 

――すごい……!(笑) 熱海へ移住を決意したのは、どんなきっかけだったのでしょうか。

 

 

 

 

ごるりさん:東京に住んでいた頃、仕事の忙しさが影響してか、ある時期から夜眠れなくなったり、家にいてもリラックスできなくなってしまっていることに気づいたんです。そんな不調がしばらく続いたので、「このままじゃまずい」と思って。その状況から抜け出すために、環境を変えることにしました。住んでいる環境か、今やっている仕事か。いろいろ悩んだんですが、仕事はたのしいから、変えたくないな、と。それで、「引っ越しちゃおう!」と決断したのがきっかけです(笑)。

 

 

――「環境を変える」という点だけ踏まえると、ほかにもいろんなまちが選択肢に入ってきそうですが、そのなかで熱海を選んだのはどういった理由からでしょうか。

 

 

ごるりさん:実のところ、最初は軽井沢に住みたいと考えていて。割と本気で、軽井沢の物件や駅前の駐車場を調べていたんですが、ふと気づいたんです。軽井沢って、夏は涼しくて快適だけど、冬はかなり寒いんですよね。我が家には、常に30℃に保たれた水槽の中で暮らしているかめきちがいる。だから、万が一停電したときのことを考えると、軽井沢に住むのは難しそうだな、と思いました。

 

 

 

▲ごるりさんと一緒に暮らすかめきちくん

 

 

ごるりさん:そこから、なるべく温暖なところを探していくうちに、「『熱海』、『熱』って字が入ってる!」とピンときて(笑)。場所の決め方は、ほんとうにそのくらいの軽いノリ。距離的にはもっと東京寄りの、館山や湘南のほうも検討しなかったわけではないんですけど、特急でも通勤に二時間くらいかかっていたり、電車でなかなか座れなかったりする話を聞くと、意外と大変そうで……。その点、熱海は新幹線に乗れば、東京駅まで45分くらいだし、座れないこともほとんどないんですよ。それに、夫が以前、新幹線通勤していたことがあったので、毎日新幹線で通うことにさほど抵抗はなくて。自分にとっては通える範囲内だなと思えたのも、決め手のひとつでした。

 

 

 

ごるりさんと、マチモリ不動産との出会い

 

 

――現在ごるりさんは、ボランティアスタッフとしてマチモリ不動産の不動産企画、設計支援にかかわってくれていますが、会社のことはどのように知ったのでしょうか。

 

 

ごるりさん:さっき話したように、熱海のことをよく知らないまま、ほぼ勢いまかせで家を決めてしまったんですよね。でも、ゆくゆくは同年代の人と仲良くなれたり、おしゃれなお店とかを見つけられたらいいな、と思って、引っ越し前にネットでいろいろ調べていたんです。そのときに、マチモリ不動産の存在を知りました。

 

 

 

 

――熱海に来る前から知っていたんですね。

 

 

ごるりさん:そうなんです。でも改めて興味を持ったのは、引っ越して半年後だったかな。わたし、大学生の頃から、ほぼ毎日のように不動産のサイトを見てて。設計の仕事をしているんですが、不動産自体がすごく好きなんです。特技は、条件がいいのになぜか割安の物件があったとき、周辺の環境や方位から住所を特定し、実際に見に行くこと(笑)。

 

 

 

 

――探偵みたい……!(笑)

 

 

ごるりさん:こんなに不動産が好きなんだから、不動産屋さんでバイトしたらたのしいんじゃないかなと思ったんです。でも平日は仕事だし、実際のところ副業はできないから、ちょうどよく条件が合う募集なんてないよな、って。そしたら、たまたまマチモリ不動産が、リノベを手伝ってくれる設計士を募集していて、「これだ」と思いました。

 

 

――マチモリ不動産では、どんなことを担当していますか?

 

 

ごるりさん:熱海って、空き家率が52.7%(※)で、その多くが何年も放置されているんですね。言葉を選ばずに言うと、たぶん皆さんが想像しているよりも、かなりぼろぼろで。以前取材されていた林さんのように、「熱海に住みたい」と考えてくれている若い人たちがいらっしゃるんですが、手頃な価格で今すぐ住めるような物件は、なかなか見つけられないのが現状なんです。そういった需要に応えるために、空き家の床や壁をきれいにしたり、お風呂やトイレなど必要な部分は新しくつけ替えたりして、借り手が住みたいお部屋にするサポートをしています。

 

※2018年3月時点「平成30年住宅・土地統計調査結果」(総務省統計局)調べ

 

 

建築に興味を持ったきっかけ

 

 

――会社では一級建築士として働かれていらっしゃるそうですが、いつから建築に興味を持つようになったのでしょうか。

 

 

ごるりさん:子どもの頃から、絵を描くことが好きだったんです。ただ、高校で進学先を考えるようになったとき、美大に行きたいとは思いながらも、将来画家になりたいわけではないし、という葛藤もあって。そしたらある日、母に「建築は国家資格が取れるらしいわよ……」とささやかれたんですよね(笑)。絵はもちろん、ものづくりが好きだったので、それもいいかも、と思って建築学科を受けることにしました。

 

 

 

 

――なるほど、「ものづくり」への興味から建築の道に進んだのですね。

 

 

ごるりさん:在学中は、周りが建築にものすごく情熱がある人ばかりだったので、どこか「自分はそこまで建築に興味を持ててないな」と感じることもありました。だけど、大学卒業後、設計の仕事に就いてみたら、すごくたのしくて。学生時代より今の方が、建築のことが好きかも。自分の設計したものがかたちになるので、素晴らしい仕事だなと思っています。

 

 

熱海に暮らすようになったことで、感じる変化

 

 

――熱海へ移住してから、なにか変わったなと感じることはありますか?

 

 

ごるりさん:あります、あります。まずいちばんびっくりしたのは、ホルモンバランスが整うようになったこと。東京にいた頃は薬を処方してもらうことが当然だったのに、いまは飲まなくてもまったく大丈夫で。これは自分でも驚いたな。あと、東京に住んでいたときは、「こうじゃなきゃいけない」って考えることが多かったんです。たとえば、「会社の近くに住まなきゃいけない」とかね。でも、こっちへ来てからは「〇〇しなきゃいけない」ってことは一つもないんじゃないか、って思えるようになって。すごくのびのび暮らせるようになりました。

 

 

 

▲ピアノは6歳から習われているそう。

 

 

――身体の変化だけでなく、考え方まで! 一日の過ごし方についてはいかがでしょうか。

 

 

ごるりさん:休日の過ごし方はがらっと変わりましたね。ついこないだは、金曜日の夜に頑張って早めに仕事を終わらせて、友だちと一緒に新幹線で熱海へ戻ってきて、地元の居酒屋やスナックをはしごしました(笑)。夜は友だちもそのままわたしの家に泊まって、翌日はみんなでゴルフ。最後は、熱海に近い湯河原や真鶴の美味しいお寿司屋さんで、海鮮を堪能して解散、みたいな。それと、車でなら小一時間で箱根へも行けるので、いろんなところへ車で出かける機会も増えました。

 

 

 

 

――今回、熱海から東京へほぼ毎日通勤しているごるりさんのことを知って、移住を前向きに考える方もいらっしゃるんじゃないかなと感じました。

 

 

ごるりさん:わたし、「移住した」という感覚はあまりなくて、単なる引っ越しだと思っているんです(笑)。個人的には、そのくらいの気持ちで住める距離感だと感じているし、わたしのように住んでから熱海のことを知っても遅くないので。東京に住んでいて、思いきり今の環境を変えたいな、という方にはぴったりなまちだと思います。

 

 

【番外編】ごるりさんのお部屋の魅力を教えていただきました

 

 

「不動産が好き!」と語るごるりさんは、一体どんなお部屋に住んでいるのか。内見をしに行ってひとめぼれし、その場で契約を決めたというお部屋。お気に入りの場所について教えていただきました。

 

 

まず玄関の扉を開けて驚いたのが、リビングから海が一望できる大きな窓。海の上に浮かんでいるように錯覚してしまうくらい、見渡す限りの海……。天気によって、海の色が変わるそう。

 

 

 

 

▲見れば見るほど合成なのではと疑いたくなってしまうほどの絶景

 

 

お部屋のなかでお気に入りの場所は、ゆっくりくつろげるローチェアの上。コロナ禍でなかなか家の外から出られなかった時期に購入したものなんだそう。

 

 

 

▲キャンプ用の椅子なんだそうですが、お部屋のインテリアにも馴染んでいました

 

 

少しだけ座らせていただきましたが、背もたれの角度が絶妙で、気を抜くとぐっすり寝てしまいそうな心地よさでした。

 

 

 

 

 

 

熱海へ来てから、のびのびと暮らせるようになったというごるりさん。ごるりさんの実体験をうかがい、「都内へ通いながらも、熱海での暮らしをたのしむ」という選択肢があるのだなということを肌で感じました。

 

海の近くに住んでみたい方、熱海への移住を考えている方は、ぜひマチモリ不動産の物件のページを覗いてみてくださいね。