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ひらい めぐみ
こがし祭りの日に、熱海の街をぶらり散歩
ある夏の日、熱海駅に降り立つと、法被姿の人や楽器を演奏する人がいたりと、いつもとは違ったにぎわいがありました。実は、熱海で一年でもっとも盛り上がる「こがし祭り」の日。せっかくなので、一日街歩きをしながらお祭りの様子を眺めることにしました。
熱海の夏の恒例行事「こがし祭り」
「こがし祭り」は、来宮神社の例大祭。毎年7月14日から16日にかけて行われ、地元では熱海の夏を象徴する行事として親しまれています。
祭りの名前の由来は、神社の創建にまつわる伝承にあります。今から約1300年前の和銅3年(710年)、熱海の海で漁をしていた人の網に、木の根のようなものが三度もかかりました。よく見ると御神像らしきものだったため、村人たちはそれを祀り、大麦を炒って挽いた粉「麦こがし」や橙(だいだい)を供えました。この故事にちなみ、「こがし祭り」と呼ばれるようになりました。
この「麦こがし」、関西では「はったい粉」とも呼ばれ、江戸時代には旅の携行食としても重宝されたもの。神事の際には、天狗の面をつけ猿田彦神に扮した人物が、麦こがしを道々に撒きながら練り歩きます。撒かれた麦こがしに触れると、無病息災や身体健康のご利益があると伝えられています。
12:30 御鳳輦(ごほうれん)浜降り神事
昼過ぎ、海岸のほうへ向かって太鼓や掛け声が近づいてきます。神々を乗せた御鳳輦を大勢の担ぎ手が海に向かって担ぎ上げている最中でした。
御鳳輦を担ぐのは、毎年その年に42歳を迎える男性たち。厄祓いの意味を込めた神事で、担ぎ手たちは、かけ声とともに御鳳輦とともに海の中へと入っていきます。
地元の人たちや、周囲で海水浴をしている人たちに見守られながら、海の中で御鳳輦をかつぐ浜降り神事が行われる様子は、まさに熱海ならではの光景だなあ、としみじみ感じました。
13:00 雨風食堂でアジフライ定食
神事を見届けたあと、少し歩いて向かったのが「雨風食堂」。
マチモリ不動産代表の三好さん行きつけとのことで、名物のアジフライ定食を注文しました。
お腹を空かせて、たのしみに待っていると、アジフライがなんと2枚も……! 衣はさくさく、身はふわふわふっくら。揚げ物であることを忘れる軽やかな食べごこち。大盛りごはんに、サービスの素麺までいただき、ボリューム満点のランチを堪能しました。
腹ごしらえを終えたあと、外へ出ると子ども神輿にも遭遇しました。
14:30 来宮神社を参拝
つづいて、この日の主役ともいえる来宮神社へ。境内に入ると、目に飛び込んでくるのが樹齢2100年超えともいわれる御神木の大楠。
右から一周すると願い事が叶うということで、お賽銭をしてぐるりと回ってみることに。正面から見るだけでも圧巻でしたが、大楠の幹のすぐそばを歩いていると、2000年以上の時の重みが肌で感じられ、その迫力に思わずたじろいでしまいました。
大楠の脇にある階段をのぼると、茶寮「五色の杜」で、こがし祭りの由来となった麦こがしが使われている「焦がしソフトクリーム」を発見!
味はほんのり香ばしく、ソフトクリームのミルクの甘みを感じられて、暑い夏にさっぱり食べられるおいしさでした。
17:00 サンバードでひと休み
来宮神社を後にし、夕方の山車コンクールまでの時間、海岸近くの喫茶店「サンバード」でひと休み。
お店のすぐ目の前の国道135号が通行止めになり、ここで山車パレードが開催されます。店内でも、こがし祭りのことを話す地元の方の会話が聞こえてきました。
18:30 山車のパレード
各町内から繰り出される山車は、伝統的な木彫りのものから、その年ごとにアイデアを凝らした装飾山車まで実にさまざまで、あわせて19基。山車コンクールでは「装飾山車の部」と「木彫り山車の部」の二部門に分かれて審査が行われ、それぞれ優勝から入賞まで順位が競われました。
審査会場となる東海岸町の沿道には、大太鼓・小太鼓・鉦・笛によるお囃子が響きわたり、山車同士がすれ違う際に奏でられる「しゃぎり」も見どころのひとつなんだとか。
今年はなんと、マチモリ不動産のメンバーも参加している浜町の「糸川に咲き誇る、癒しの夜桜」が「装飾山車の部」で優勝!
代表の三好さんは、山車責任者としてかけ声をかけながらパレードを盛り上げていました。
パレードの様子を側から見守っていると、山車を引かせてもらえることに! 地元の方々といっしょにお祭りに参加することができ、さらに熱海との距離が近くなったような、うれしくたのしいひとときでした。
木彫りの山車は、華やかな装飾山車とはまた違った伝統的な趣きがあり、山車ごとの個性が感じられます。
長い長い伝統を受け継ぎ、子どもからご年配の方まで、幅広い世代の人たちが協力して作り上げるこがし祭り。日が落ちてからも湿度の高い夜となりましたが、夏の疲れを吹き飛ばしてくれるような活気に満ちていました。
駅へと戻る道のりでは、これからお祭りに向かおうとする若い子たちも。熱海の夜は、まだまだ続きます。
観光地として賑わう普段の顔とは違った、祭りの日だけに見られる街の姿。古き良き日本の夏の風物詩が残りつづける熱海の一面を垣間見ることで、この街の新たな魅力に触れることができた一日になりました。



















