twitter instagram LINE

DATE2026.05.23

この記事を書いた人

メアリー

後編:熱海で、物件とどう付き合っていく?“困る前に考えたい”これからの管理のこと

 

前編では、「管理会社」の基本的な役割について伺いました。

 

後編ではさらに踏み込み、熱海という街ならではの物件管理の課題や、これからの管理のあり方について、お話を伺っていきます。

 

 

観光地・ 熱海の管理の課題

 

 

メアリー「前編のお話を通して、管理のお仕事の全体像を掴めた気がします。ここからはさらに踏み込んで、熱海という街での不動産管理、そんな切り口からお話を伺っていきますね。熱海だからこそ、管理で特に気を付けるべき点はありますか?」

 

三好「そうですね…前編でお話しした『ハード面』『ソフト面』の管理に分けて考えてみましょう。ハード面でいえば、古い物件の多い熱海。それぞれの設備にいつ、どのくらいの費用をかけて修繕を行うのかという長期修繕計画が重要です。

 

ソフト面では、熱海では定住人口の減少が続いています。そうなると、街としては、交流人口、つまり観光で訪れる人を増やしていく方向へシフトしていくことになります。観光客が増えれば、ニーズのある民泊も増えていく。民泊が増えていくことで、騒音やゴミのトラブルから周辺の居住価値が落ちる…ということもありえます。熱海に限らず、リゾート地では今後、無視できない傾向です。」

 

関連記事

観光地・熱海ではじめる民泊。物件を活かす、新しい宿泊の形〜これからの熱海で、求められる民泊とは?〜

 

メアリー「熱海は観光地として賑わっていますが、個人的には首都圏には通勤も可能な近さで、かつ自然豊かなところに魅力を感じています。近年メディアでも頻繁に取り上げられていて、熱海は旅行先としてだけでなく移住先としても注目を集めている。それなのに、空き家率は未だに高いと聞きます。なぜでしょうか?」

 

三好「それは、需要に合った物件の供給が追いついていないから、ですね…。近年需要が伸びているのは、完全な移住・定住というよりも、二拠点、多拠点としての住まい。あるいは同じ物件を複数人でシェア利用したり、週末だけの小商いを行ったりと、従来の住居・店舗の枠ではくくれない形なんです。」

 

メアリー「新しい時代の物件の使い方をどう契約に落とし込むのかという点に、まだハードルがありそうですね。」

 

三好「熱海はバブル崩壊、リーマンショック、コロナ禍など、時代の流れに強く影響を受けてきた街です。変化を早く経験してきた分、他の地域より先に危機感を持つことができたとも言えます。時代に合った使い方ができるか?という問題が熱海では他の地域に先駆けて、浮き彫りになっていると感じています。」

 

メアリー「熱海からいち早く、新しい使い方の成功例を発信していけたら良いのですが…。」

 

三好「今までの常識とは違う使い方、というと、サブリースも初めはそういったものでした。管理会社が物件を借り上げることで大家さんの負担を減らしつつ、責任を持って物件を転貸し、運用していく。衰退してしまった地域では、こうした仕組みを取り入れながら、地域の活性化につなげてきたケースも多いです。」

 

メアリー「前編で登場した『社会的劣化』の話に繋がりますが、時代や社会、エリアの変化に対応できる広い視野と柔軟性が、管理会社には求められるわけですね。」

 

 

見落とされがちな視点 ― 相続と時間軸

 

 

メアリー「日本全体でもそうですが、熱海は特に、高齢化が進んでいるという現状があります。物件の管理をしていて、相続に関する相談を受ける機会もありますか?」

 

三好「はい。親が所有していた物件を引き継いだから、とりあえずそのまま貸している…そういうお話も伺います。」

 

メアリー「相続になると、兄弟間で意見が分かれることもありますよね。」

 

三好「ええ。維持費や修繕費の負担を誰がするのか整理されないまま、管理の方針も決まらないまま、時間だけが経ってしまうケースもあります。しかし、相続に関しては、短期的な視点だけでなく、将来から逆算していく視点も必要です。

 

売るのか、貸すのか、自分で使うのか。いつまで、どの割合でそうするのか。そのために、今はどうするのか。取得した時点で、あるいは取得する前から、管理の方針を定めておくのが理想ではあります。」

 

メアリー「そういったことを決めていく際には、管理会社に相談しても良いのでしょうか?」

 

三好「管理会社によって対応範囲は異なりますが、相続に関しては不動産コンサルティングの領域に近く、通常の管理の領域を超えてしまう部分が大きいです。家族のことも話せるような信頼できる管理会社と、そことは別に、専門的な観点から支えてくれる専門家がいればベストかと思います。」

 

 

 

 

見落とされがちな視点 ―遠方からの物件管理

 

 

メアリー「熱海は別荘地としての土地柄もあって、物件のオーナーさんが県外、遠方に住んでいるという物件も少なくないように思います。そういったオーナーさんが気を付けておいたほうが良いことはありますか?」

 

三好「遠方にいても、なるべく意識を向けておくということは大切ですね。年に一度くらいは実際に物件を見に行くとか、定期的に管理会社に状況を聞くとか。そういった姿勢が、管理会社や居住者の意識にも影響してきますから。」

 

メアリー「遠方だからこそ、任せっきりではなく意識を向けておいたほうが良いということですね。大雨や災害が発生した時など、管理会社に現地の状況確認を依頼することは可能なんでしょうか?」

 

三好「あらかじめ契約で決めていれば確認に行きますし、優先順位はありますが依頼を受けて都度対応できることもあります。工事が必要な時は、その手配も行います。」

 

メアリー「なるほど。業務範囲、緊急対応の体制、スピード感、報告の頻度などは、契約締結前にきちんと確認しておくべき内容ですね。」

 

 

 

 

 

自主管理と委託管理のあいだ― スポット管理というかたち

 

 

メアリー「これまでのお話を伺っていて、やはり大家さん一人で物件を管理するのは負担が大きいように感じました…。」

 

三好「そうですね、管理の仕事は本当に多岐に渡りますから。ただ最近は特に地方で、家賃が下がっている中、管理会社に管理委託料を払うと、大家さんの手元に収益が残りづらい、という状況も見られます。」

 

メアリー「管理を頼みたいけれど経済的に難しい。かといって、全て自主管理するのも現実的ではない…その『はざま』にいる大家さんが増えているんでしょうね。」

 

三好「物件の仲介を担当したあとに、『ちょっと管理についても相談できませんか』と大家さんから連絡が来ることもあります。こで、マチモリ不動産では、必要なときだけ関わる「スポット管理」という形をつくりました。


既に管理会社が入っている物件や、他社で仲介された物件でも、ご相談いただければスポットで対応することがあります。長年付き合いのある管理会社との関係を大切にしながら、必要な部分だけ別の視点を入れたい、というご相談もありますね。

 

1時間5,500円で、その都度対応する。全部を抱え込むのではなく、必要な部分だけプロの目を入れる。そういった形にも対応できるようにしています。」

 

メアリー「スポットでの管理…そういう方法もあるなんて、初めて知りました。マチモリ不動産では、どのくらい続けているんですか?」

 

三好「3年ほどになります。物件の仲介をしていると、その後の管理について相談を受ける場面も多かったんです。仲介、リノベーション、そして管理と、複合的な目で見ることができるというのは、大家さんにとっての選択肢が増えることにも繋がると思っています。」

 

 

 

 

***

 

 

建物や人だけでなく、法律や社会の動きにも目を向けながら、物件を管理していく。

 

不動産を上手に管理していくためには、幅広い範囲へ目を向けていくことが求められます。その中の、必要なところで、必要なぶんだけお手伝いをさせていただく。

 

自主管理と委託管理のあいだの、新しい管理の形をマチモリ不動産は提案しています。

 

お持ちの物件の管理について、気になることがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。