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DATE2026.05.23

この記事を書いた人

メアリー

前編:管理会社って、何をしているんだろう?オーナーも借り手も知っておきたい基本

 

マチモリ不動産の主な事業内容のひとつが、「賃貸管理」

 

管理会社ってよく耳にするけれど、実際にはどんなことをしているんだろう?今回は、マチモリ不動産代表の三好に、意外と知らない「管理」のお仕事について話を聞いてみました。

 

 

物件管理って、具体的に何をすることですか?

 

 

メアリー「マチモリ不動産は、物件の仲介やリノベーションの印象が強いのですが、管理会社としての顔もあるんですね!」

 

三好「ええ、そうなんです。ちなみにメアリーさんは、不動産の「管理会社」にどんなイメージを持っていますか?」

 

メアリー「以前に住んでいた家で、宅配ボックスを開けられなくなった時など、管理会社に連絡して解決していただきました。なので、私の中では、入居者が困りごとを相談する時の窓口であり、建物のメンテナンスに責任を持っているのが管理会社、というイメージですねえ…。」

 

三好「なるほど。メアリーさんが今挙げてくれたのは、住宅の管理のお話ですね。住宅のほかにも、店舗や事務所、民泊やマンスリー物件など、物件の用途によって管理の内容は変わってくるんです。さらには、大家さんの自主管理なのか、管理会社への業務委託なのか、管理会社が又貸しするサブリース(借り上げ)なのか、という違いもあります。」

 

メアリー「そういえば別のマンションに住んでいた時は、水道の不具合について大家さんへ直接、相談していました。管理会社を介さないパターンもありますよね。管理について考えるには、まず前提を整理してみる必要がありそうだ…!」

 

 

 

 

リーシング ― 入居者を決めるという仕事

 

 

三好「物件の用途や管理形態によって管理の内容には違いがあると言いましたが、いずれの場合も、大きな割合を占めるのが「リーシング」。つまり、入居者を決める仕事です。」

 

メアリー「入居者目線だと、物件探しの段階では仲介業者と関わることが多いので、入居者を決定するのも管理の一部だってこと、あまり意識してこなかったかもしれません。」

 

三好「募集を始めるとなったとき、最初に行うのは市場調査。物件の立地、広さ、RCか木造か、階数、エレベーターの有無や室内の状態…それらを全て考慮して、賃料などの募集条件を設定します。」

 

メアリー「おお、賃料の決定ひとつを取っても、考えることが多い…!」

 

三好「条件を設定したら写真を撮り、不動産情報サイトなどの媒体に掲載します。問い合わせがあれば対応し、内見を案内する。申し込みが入れば審査。契約書・重要事項説明書を作成し、説明を行い、鍵を引き渡します。」

 

メアリー「入居の後にも、管理の業務は続きますよね。」

 

三好「ええ。入居後は更新業務。退去時の立会い、敷金の精算、原状回復工事の手配。ここまでが一連のリーシング業務です。」

 

メアリー「入居の前から退去の後まで、長いスパンで入居者と関わり続けていくものなんですね。」

 

 

 ハード面 ― 建物そのものの管理

 

 

三好「メアリーさんが最初に挙げてくれたような設備の修繕対応は、いわばハード面、建物の維持管理にあたるものですね。修繕が発生した時の対応だけでなく、今後発生しうる修繕の洗い出しも重要になります。」

 

メアリー「エアコンやウォシュレット、照明などが設備なのか残置物なのか、といった点も事前に整理しておかないと、修理・交換の費用を負担するのがオーナーか借主か曖昧なままで、トラブルの原因になりますよね。」

 

三好「そして、長期的な修繕計画を立てていくことも必要です。積み立てがなければ、大規模修繕は難しくなりますからね。」

 

メアリー「共用部分の清掃も、建物の管理に含まれますよね。以前のマンションでは、ゴミ置き場を大家さんがいつも綺麗に掃除してくれていたなあ。」

 

三好「排水管も、定期的に清掃しなければ詰まりやすくなってしまいます。ほかには、消防用設備などの法定点検、防災訓練の実施も管理の一環。緊急対応も行いますが、事前に予測し、リスクを低減しておくことが求められます。」

 

メアリー「予測を立てるために、建物が老朽化、劣化していく状況には定期的に気を配っておかないとですね。」

 

三好「建物の『劣化』にも、物理的劣化、機能的劣化、社会的劣化という種類があります。社会的劣化というのは、ニーズの変化です。周囲の状況や住まいの使われ方は、時代とともに変わっていきます。これまでと同じやり方を続けているうちに、いつの間にか選ばれにくい物件になっていることもあるんです。」

 

 

 

 

 

ポイント

物理的劣化:(例)配管や外壁などが老朽化する

機能的劣化:(例)エレベーターや防犯システム、インターネット環境などが最新の設備でない

社会的劣化:(例)バリアフリー未対応、フローリングではなく畳の和室、家族の人数が多い前提の部屋数

 

 

ソフト面 ― お金と関係性の管理

 

 

メアリー「ハード面が建物の維持管理ということは、ソフト面の管理もあるんですね?」

 

三好「その通り。ソフト面としては、家賃の回収、滞納の対応、利回りの把握。そして、トラブル対応も挙げられます。」

 

メアリー「音やにおい、ゴミがトラブルのもとになること、多いですよね。住まいを選ぶ時にはゴミ置き場を確認した方がいい!というのはよく聞きます。」

 

三好「まさに、共用部分を見れば管理の質がわかるといって良いでしょう。物件の資産価値には、二つあります。一つは、利回りのような金銭的価値。もう一つが、住み心地や満足度といった居住価値です。共用部分の巡回やトラブル対応にコストをかけるほど居住価値は高まりますが、金銭的価値は下がるかもしれない。一方で、家賃を低く設定し手をかけない代わりに、DIYをOKにして、借主の自由度を売りに居住価値を高めるというケースもあったりします。」

 

メアリー「その物件を収入源として考えているのか、まちづくりなどの社会的意義を見出しているのか、大家さんのスタンスも様々だと思います。二つの価値のバランスをとっていくことも、管理のうちなんですね。」

 

 

自主管理と委託管理のあいだ

 

 

メアリー「最初に、自主管理と管理委託で違いがあると伺いましたが、やはり、それぞれにメリット・デメリットがあるんでしょうか?」

 

三好「どちらのやり方にも、一定のリスクがあると思っています。まず、完全な自主管理を行う場合は、自分一人で、関連する法令を漏れなく確認して遵守できるか?という点を考えなくてはなりません。例えば、大家さんが知らない間に配管が劣化していて下の階に漏水してしまったら、故意に被害を出したわけではなくても建物の所有者が損害賠償責任を負う(無過失責任)。こういったことを、理解しておく必要があります。また、退去時の掃除を借主が行うことは商慣習としてあるものの、国土交通省のガイドラインでは原則大家さん負担とされていて、契約書に借主負担と書かれていないと請求できません。」

 

メアリー「ほかにも建物には、さまざまな法律が関わってきますよね。特に、消防法については、法改正前に建てられていても、必ず設備を改修・追加しなければならないと以前に伺いました。法律の専門家でもない限り、すべてを把握するのはなかなか難しいですよね…。」

 

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三好「DIY可の物件に関していえば、建築基準法に違反しないか、という点を確認する必要もありますね。マチモリ不動産が管理する物件に関しては、DIYは事前に申請してもらってチェックを入れているのですが。」

 

メアリー「さっきのお話にあった『社会的劣化』も、大家さんだけでは時代の変化に気付きづらいことがあるかもしれませんし、今のお話を聞いていると管理会社に任せた方が安心なのでは?と思ってしまいました。」

 

三好「しかし一方で、全ての管理を外部に委託したら、どうでしょうか。入居者の決定も日々の巡回も業者任せになると、大家さんは物件に今、誰が住んでいるのかわかりません。居住者のニーズを追いきれず、困りごとを感じ取れず、建物の居住価値が下がってしまうおそれがあります。」

 

メアリー「確かに、大家さんと居住者の距離が開きすぎてしまうのは問題だ…。大家さんと居住者との結びつきが弱いと、地域コミュニティ全体の繋がりが希薄化する可能性も考えられますね。特に熱海は、町内会の活動が今も活発で、ゴミ当番やお祭りへの参加、側溝清掃など、地域で協力して取り組むことで、関係性が育まれてきたんだなあと感じます。こうした地域の特色は新しく移住してきた人も知っておくべきだと思いますし、それを伝えてくれるのが大家さんですよね。」

 

三好「実は、管理は0か100ではありません。完全に自分でやる、すべてを委託する、だけでなく、そのあいだの形も、部分的に管理するという方法もあるんですよ。」

 

 

 

 

***

 

 

物件のリーシング、ハード面とソフト面の管理。

 

「管理」のお仕事は非常に幅広いものです。大家さん一人で向き合うには、負担が大きい場面もあります。では、管理会社にすべてを委託するべきなのでしょうか。

 

後編では、自主管理と委託管理のあいだで、マチモリ不動産が実際にどのような取り組みをしてきたのか。

 

熱海で物件を管理する際のポイントと共に、伺っていきます。