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メアリー
熱海の夜に、ひとひらのあやしさ。『熱海怪談Vol.6』レポート
春と秋の恒例となりつつある、怪談イベント『熱海怪談』。
▶︎ 前回の記事:晩秋の木枯らしが開く、あやしげな物語への扉。『熱海怪談Vol.5』レポート
小さな料理店やスナックが集まるエリア・中央町で、ローカルにも旅行者にも愛される「バーコマド」の協力のもと、2023年から続いてきたイベントだ。
こちらの記事では、筆者も企画・運営に携わった、2026年4月18日開催『熱海怪談 Vol.6』の様子を紹介する。
会場は清水町の「熱海魚市場」。朝には、熱海近海で採れた新鮮な魚のセリが行われている場所だ。
夜間はレンタルスペースとして貸し出されており、アートイベントの会場として映画の上映やダンスのパフォーマンスが行われたこともある。
毎週土曜日の夜には、地魚を使った惣菜や地物野菜などを販売する「土曜市」が開かれ、地元の人々で賑わっている。
▲土曜市では、音楽の演奏を聴きながらお酒と食事を楽しむこともできる。シャッターには、過去のイベントでのライブペインティングの作品が今も残る。
この日も1階で土曜市が盛り上がりを見せる中、『熱海怪談』は2階の広間で開催された。
▲怪談の合間にはドリンクとフードの販売あり。中央町の中華料理店「大一楼」の揚げワンタンとギョウザが、観客にも出演者にも大好評。
様々な怪談コンテストでタイトルを獲得してきた“怪談界の帝王”、夜馬裕氏は、これまで何度も熱海に足を運び、怪談カルチャーの発信を続けてきた怪談師の一人。作家としても多数の著書があり、近年は「モキュメンタリーホラー」*のノベライズを含め多方面で活躍されている。
* まるで実際の記録やドキュメンタリー映像のように演出された、フィクションのホラー作品を指すジャンル。映画やドラマ、小説などで人気を集めている。
田中俊行氏は、怪談師としてのみならず、超自然的な力が宿るとされる「いわくつき」の品々、“呪物”の蒐集家としても名高い。世界中から集められた膨大なコレクションと軽妙な語り口は人々を魅了してやまず、テレビやYouTubeにも引っ張りだこの存在だ。
会場にはこの日、約70名の観客が集まった。
根強い人気を誇るお二人のファンだけでなく、熱海のローカルも多く訪れ、観客の居住地や年齢層はさまざま。
終演後には、夜馬裕氏、田中氏を交えた懇親会の席が設けられた。「宇田水産」の刺身盛りに、フレンチ居酒屋「マルノワ」のオードブルと、地元のグルメが宴を彩る。
懇親会で仲良くなった後には、二次会として周辺のお店に繰り出す方々も。イベントがそれだけで完結することなく、熱海のナイトタイムエコノミーの活性化にも繋がっていくのは喜ばしいことだ。
▲サインや写真撮影に応じる怪談師のお二人。怪談師と観客が近い距離で交流できるのも『熱海怪談』の特色。
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『熱海怪談 Vol.6』は私にとって、地域の事業者同士、イベント同士が連携することの大きな可能性を感じる機会となった。
熱海魚市場の土曜市と同日開催だったことで、『熱海怪談』の観客が土曜市で飲食をしたり、土曜市の買い物客が『熱海怪談』に飛び入り参加したりと、予期せぬ相互作用があったのだ。
また、銀座町のguest house MARUYAの協力のもと、『熱海怪談』とコラボした宿泊プランを展開してきた。
これは、guest house MARUYA、または系列の宿泊施設に当該プランで宿泊した方に対して『熱海怪談』でワンドリンクをサービスするというもの。
『熱海怪談』のために初めて熱海を訪れ、guest house MARUYAに宿泊した、という方にお話を伺った。滞在中には怪談だけでなく観光も満喫されたようで、またぜひ熱海に来たい、という言葉が心底嬉しかった。
周辺店舗や宿泊施設と連携し、さらには同日や近い時期に開催されるイベント同士でも手を取り合うことで、このような相乗効果を生み出していける。
決して『熱海怪談』に限ったことではない。市街地がコンパクトな熱海は「回遊性」*が高い街だ。協力と連携によって、各店舗やイベントといったひとつひとつの点が繋がり、人の流れという線になる。
*人々が、ひとつの目的地だけでなく、まちなかを複数の地点へ歩いて移動・滞在しながら巡ることのできる性質や、そのような行動が生まれやすい都市空間の特性。
中央町で始まった『熱海怪談』は、エリアの魅力の発信をひとつの目的としてきた。イベントの場で近隣の飲食店の料理を提供するのも、その考えに基づいている。
今回はこれまでの中央町から離れて、清水町での開催となった。これからは、さまざまなエリアとの横断的な関わりも模索しながら、熱海全体の魅力を伝えられるイベントを目指していきたい。
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次回の『熱海怪談』は、2026年11月ごろ開催予定。
場所や時間、チケットの予約方法などの詳細は、『熱海怪談』公式SNSで案内される。








