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DATE2025.01.19

この記事を書いた人

メアリー

南熱海・網代をあるく「結び目」で繋がる昔と、これからと

 

 

南熱海、網代。

 

熱海駅からJR伊東線、またはバスで約20分と、熱海の街なかからのアクセスは良好。

 

それなのに、私はこれまで網代の街を歩いたことがありませんでした。

 

熱海のまちなかの喧騒から離れて、のんびりと海を眺めて、美味しいお魚が食べたい…!そんな衝動を抑えきれなくなったある日、私の足はついに網代へ向かったのでした。

 

 

 

 

今回の目的地のひとつは、2024年4月にオープンした街の交流拠点「AJIRO MUSUBI」。

 

2021年に廃校となった旧網代小学校の建物を活用した施設です。

 

 

 

 

1階部分は、コミュニティスペースとカフェになっています。

 

 

 

 

大きな窓から自然光の差し込む開放的な空間では、漁師まち網代らしい、魚の壁画がお出迎え。

 

 

 

 

こちらの壁画、網代小学校が現役だった時、生徒たちの描いた作品がそのまま残されているんです。

 

 

 

 

カフェの看板メニューは、東京から網代に移転した人気ラーメン店「うお静」監修のスパイスカレー。

 

2種類のあいがけがおすすめです。

 

スパイシーなカレーによく合う、まろやかな豆乳ラッシーも添えて。

 

 

 

 

コーヒーやスイーツのメニューもあるので、お食事だけでなく、休憩やご近所さんとお喋りに…など色んな使い方ができるのも嬉しいですね。

 

 

 

 

子どもたちが自由に遊べるように、と設置されたのは、図工室にあった机。

 

これからさらに使い込まれ、深みを増していくことでしょう。

 

小商いに挑戦してみたい方は、コミュニティスペースでポップアップ屋台をひらくこともできるようです。

 

 

 

 

2階はコワーキングスペース&レンタルルーム。

 

小学校の面影を大切に残しつつ、新たな命が吹き込まれていました。

 

こちらでは子どもの頃の自由な発想を思い出しながら、お仕事ができそう。

 

 

 

 

いくつかの教室はオフィスとして貸し出しされているほか、校長室だったお部屋は、会議や交流イベントに使えるレンタルルームになっています。

 

 

 

 

コワーキングスペースの会員になると、先ほどの1階エントランスだけでなく、2階の昇降口からも出入りできるそうです。

 

昇降口という響きが、もう懐かしい…!マイ・上履きを用意したくなりますね。

 

建物内は可能な限り、小学校の状態が保たれているとわかります。

 

 

 

 

網代小学校の校歌や、卒業生の文集のバックナンバーが利用者の目に留まる場所に展示されています。

 

移住した方には、まちの歴史を感じ、地元の方々と繋がれる場所として。

 

ここで学び遊んだ卒業生の方にとっては、訪れるたび思い出と再会できる場所として。

 

AJIRO MUSUBIは今後ますます、網代の人と街を結ぶ重要な「結び目」になっていくのだろうな、と感じました。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

AJIRIO MUSUBIを後にし、周辺の散策に、いざ出発!

 

江戸時代には「京大阪に江戸網代」といわれるほど諸国の廻船で賑わい、その後も港町として繁栄してきた網代。

 

その隆盛を物語るように、古い民家には華やかな意匠が残されています。

 

 

 

 

街を歩いていると感じる、ちょっとした違和感。

 

それは、狭い範囲に美容室・理髪店が何軒もあること。これも網代の歴史を今に伝える特徴でした。

 

漁業で栄えた網代には、かつて遊郭も存在したそう。遊郭の女性や客のために髪を整える場所が必要だった、というわけなのです。

 

こちらの建物も、元理髪店。ルネサンス様式の銀行建築を思わせる重厚な店構えは、一見の価値ありです。

 

 

 

 

入り組んだ細い路地には、懐かしい風情が残ります。

 

外に流し台の置かれた家が多いのですが、これは魚を洗うためのものだとか。さすが漁師のまち…!

 

タイル張りの可愛らしいものも多く、度々足を留めて観察してしまいました。

 

 

 

 

網代漁港前の通りは通称「ひもの銀座」

 

昔ながらの手作業で作られた干物が、店先で天日干しにされるのどかな景色を見ることができます。

 

干物店の数は最盛期と比べ随分と減ってしまったとのことですが、近年は先ほど登場した「うお静」など、素材にこだわった飲食店が注目を集めています。

 

こちらは、老舗の鰹節屋さん「丸藤」が2023年にオープンした「BUSHIMESHI

 

 

 

 

店内は、鰹節の良い香りに全身が包まれる幸福な空間…。

 

名物は目の前で削りたてほやほやな鰹節ごはん。

 

ふわふわの鰹節がてんこ盛りで登場します。

 

 

 

 

その日にとれた新鮮な地魚のお刺身、焼き魚などの一品も追加できます。

 

 

 

 

 

お料理を提供する食器の一部は、ご近所で不要になったものをいただいて使っているそうです。湯呑みのふちに金継ぎの跡を発見して、パシャリ。

 

 

 

 

 

網代の海は、熱海の市街地から眺める海よりももっと、自然に近い印象を受けます。

 

日々魚が水揚げされる、生活と産業に根ざした海だからかもしれません。

 

網代港からは、熱海市街から高台の別荘地、多賀を経て続く海岸線が一望できました。

 

「熱海全体の地形を感じるには、網代から眺めるのが一番かもしれない」

 

市街地で暮らしている時には思いもよらなかった視点でした。

 

 

 

 

 

 

どこか懐かしい港町特有の風情に加えて、人と繋がる「結び目」が生まれた網代の街。

 

AJIRO MUSUBIでは、マルシェにワークショップ、学べる講座など、大人から子どもまで楽しめる様々なイベントが開催されているようです。

 

これからどんどん面白くなるであろう、南熱海・網代エリア。

 

熱海をまるごと眺められるこの場所から、新しい熱海のカルチャーが生まれてきそうな予感です。

 

 

 

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AJIRO MUSUBI(旧網代小学校)

 

〒413-0103  静岡県熱海市網代195  1F

 

開店時間:10:00〜17:00
カフェ営業:11:00〜17:00
定休日:火・水・木曜日
駐車場:小学校校庭側に駐車場あり

 

※営業日やイベントに関する最新情報はWEBサイトInstagramをご覧ください。